アイソメ理論


あたしがこの町を完全に捨てきれないのは、お父さんやお母さんとの思い出はもちろん、何よりキサとの思い出が溢れかえっているからかもしれない。

幼い頃のあたし達を置き去りにできない。

大切な大切な過去


一緒にこの町に戻ってくる一味のみんなも、きっとこの町に何か置いてきているに違いない。


キサの言葉で、今までの足枷が途端に愛しいものに重さを変えた。


どんなに廃れていても
どんなに貧しくても

そこに刻まれた思い出がある限りあたしは、ここに戻ってこよう。

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