また、ここに帰ってきた。何回帰ってきても、変わらない風景がただただかなしい。
――わたしたちの、ふるさと
国に捨てられたから、捨ててやった。生きるしかない、死ぬにはまだ無知すぎるから。それなのに。
そばにいる、ずっと隣にいるキサで染めることしか知らない。いつの間にかずっとそうだから。その術しか知らない。
また、鎖が呼ぶんだろう。
それまで、また埋め尽くして。
読後にきゅう、と心臓が鳴りました。世界観が特に出色していて、生きること、ふるさとなどの言葉のひとつひとつが巧みでどうにもならないほど訴えてくる想いに作者さまの力量を感じました。
ぜひご一読くださいませ。お題の使い方、雰囲気、本当に素敵でした、ありがとうございました!