LOVE BOX~光を探して~
また一段、崖を下っていく私が現実に気がつかないのは、心にケンしかいないからで……。
大好きな人の為に、自分を犠牲にしている姿がちょっとだけ、カッコいいような気もしてた。
あっという間にお金を貯めて、あの駅から1つ離れたワンルームマンションを借りたのは秋。
8階という高層階から見下ろした先は、大通りが直面していて排ガスが大量に撒き散らされている。
夜中になれば、バイクが暴走して行く。
環境が良いとは言えないこんな場所だけど、そんな事……私には関係無い。
一緒にいられるのなら、どんな場所だって平気。
今みたいに辛い仕事だって、ケンの為なら頑張れる。
今日から……ケンがいつ迎えに来ても大丈夫だから。
親の監視も無くなるし、私は今日から自由になる!!