LOVE BOX~光を探して~
ホストクラブ
想像以上に、早い段階で一人暮らしを始めてしまった私は……逆に忙しさで寂しさを埋める事が出来なくなっていた事に、気が付かないでいた。
「どうしたの?あやちゃん」
声に振り向くと、リエさんと言うお姉さんが笑っている。
ソレイユの受付の裏には、女の子の待機場所がある。
飲み物はコールを入れれば黒服さんが作ってくれる。一人一人にゆったりとした座椅子が置かれ、雑誌や漫画を読みながらお客さんを待つ……そんな豪華な控え室。
壁には今月のランキング、が大きな模造紙に太い黒マジックで書かれ大々的に貼られている。
「No.3 あや」
それは……入店間もない私が、若さとケンへの愛情だけで登りつめた地位。
月収はいつの間にか3桁を超えるようになっていた。
だけど、お金にそこまで執着心は持てなくて……。
一人暮らしさえ出来ていれば充分。
愛さえあれば……お金なんて。
ただ、ケンを想って結婚資金にでもしたらいいって思ってて。