LOVE BOX~光を探して~



ちょうど、そんなセイラの事を思い出した時、タイミングよく携帯が鳴り出した。



【着信:セイラ】



「もしもし?あやぁ?」



大人びた顔に似合わず、アニメのキャラクターのようなセイラの声が何だか懐かしくて……重たい体を起こして電話を取り上げる。



誰かの声を聞いていたい。


今は一人が怖いから……。



「あ、セイラ!久しぶりだね~どうしたの?」



暗い奴だと思われたくないから、無理矢理に明るい声を出した私にセイラが語ったのは飲みの誘いだった。



元々は……同じバンドのファンだった。


サイン会で仲良くなって、いつしか学校を辞めたセイラと少しの間一緒に暮らして……私は風俗とか嫌だから、なんてウリだけで生活している危なっかしい子。



そんな、今では数少ない友達の突然の誘いに少しだけ救われる。



これ以上一人でいたら……本当にダメになってしまいそうだったから。



< 159 / 387 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop