LOVE BOX~光を探して~



そうして……ずるずるとマサトと付き合い、時は流れていく。



そんなある日の控え室。


……といっても、ここはソレイユのような高級店では無い。



飲み物がグラスで出てくるなんて事は無く、個人用の座椅子も無い。


目の前にあるドリンクバーのような機械に紙コップ、もちろん注ぐのは自分。そして使い古されたソファーでだらっと過ごしていた。



「あやちゃんってさ、彼氏いるの?」



それは、何でもないサエさんの一言。



誰でも聞かれる当たり前の事。



その問いに、これまでずっと答えてきたセリフ。



「いますよ♪今は逢えませんけど」



誰が聞いてもバカだって思うよね?



そんな約束信じてるの?みんなそう言う。



迎えに来てくれるといいね、なんて言ってくれる人はある意味私に興味の無い人間ばかり。



それでも、口にすれば願いが叶うんじゃないかって思って……今日も紡ぐ。



そんな私にサエさんは



「私にはね~昼間の彼氏がいるんだ♪」



嬉しそうにそう言ってた。



サエさんの彼氏……職業は探偵さん。


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