LOVE BOX~光を探して~
もう何本目か分からないすっかり時間を埋めるのに手放せなくなったタバコを置いた時、店長だと言った人が話に割って入ってきた。
「あやちゃん、そんなに吸わない方がいいよ?」
毎日千円札を自販機に飲み込ませ、4箱の煙を買う17歳の私の手が止まる。
そして
「お金があれば探偵とか使って調べられそうだけどなぁ」
少しだけ生えた髭を触り、首を傾げて言う店長さんの声に私はナナさんと顔を見合わせた。
「探偵って言えば」
「サエちゃんの彼氏?」
帰ってくるまで待つしかないって思ってた。
まさか、自分で調べるっていう手段が残っていたとは。
子供で無知な私は一つ一つ教えられて……そして本当に少しずつだけれど、大人になって行く。