LOVE BOX~光を探して~
一筋見えた希望の光。
まだ足は底につかないけど、崖から転げ落ちないように必死に掴んだ岩から上を見上げると頭上に見える光。
ケンの居場所が分かるかもしれない。
逢いに……行けるかもしれない。
逸る気持ち抑えきれないまま、私はサエさんの携帯へと電話をかける。
「彼氏さんを紹介して下さい!!」
そんな唐突なお願いも、真剣に理由を話したらサエさんは理解してくれた。
大丈夫。私はまだ全てを失ってない。
こうして、押し上げてくれる人達がいる。
「そういう事なら……安くするように言っておくから!」
手元に残ったサエさんの彼氏、探偵であるアキラさんの携帯番号。
それは……ケンへと繋がる初めての切符。