LOVE BOX~光を探して~
それから1週間。
「あや」は今日も働いている。
「いらっしゃいませ」
その声が聞こえ呼び出しの音楽が流れると、マジックミラーと呼ばれるお客側からしか見る事の出来ないショーケースのような部屋に、みんなでぞろぞろと入る。
少し高めに設置された椅子に全員が座ると照明が一気に明るくなる。
その眩しさと、誰が見ているのか分からない嫌悪感で顔を背ける。
すると、すかさず声がかかる。
「もっと顔を上げて下さい!」
見えない向こうでは、お金で性を買うオヤジがきっと私達をじろじろと見ているんだろう。
ソレイユではプロのカメラマンが撮ってくれた写真をみて指名をするシステムだったけれど、ここではこのマジックミラーが主流。
そんな所にいる自分がすこし惨めで……
「右から何番目かおっしゃって下さい」
「じゃあ……2番目の子で」
「あやさん、お願いします」
「……はい」
それでも呼ばれれば、嘘の笑顔を貼り付けて部屋へ案内する。
仕事は仕事。
もう何度繰り返したか分からない単純作業。それが今の自分の居場所。