LOVE BOX~光を探して~



恋をする事で、恋の傷が癒えるのなら……私は喜んで恋をしたい。



ケン以上に愛せる人がこの世の中にいるんだったら、今すぐに逢いたいよ。



私は願う。



その相手が、先生。貴方だと……。



一人一人生徒が帰って行き、日課である送迎バスの運転を終えた吉川先生にそっと駆け寄った。



暗い中、瞳が合うといつもの優しい笑顔で



「あれ?矢口。こんな所でどうした?」



辺りは恥ずかしいぐらい静かで……余計に照れてしまう。



そんな気持ちを隠すように



「これ、後で読んで下さい!」



ぐいっと書いた手紙を押し付けて、そのままUターン。



全力で走ると、ホテルへ戻る。



緊張のあまり……先生がどんな顔をして手紙を受け取ったかなんて、とても見れないままに。


< 211 / 387 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop