LOVE BOX~光を探して~
恋をする事で、恋の傷が癒えるのなら……私は喜んで恋をしたい。
ケン以上に愛せる人がこの世の中にいるんだったら、今すぐに逢いたいよ。
私は願う。
その相手が、先生。貴方だと……。
一人一人生徒が帰って行き、日課である送迎バスの運転を終えた吉川先生にそっと駆け寄った。
暗い中、瞳が合うといつもの優しい笑顔で
「あれ?矢口。こんな所でどうした?」
辺りは恥ずかしいぐらい静かで……余計に照れてしまう。
そんな気持ちを隠すように
「これ、後で読んで下さい!」
ぐいっと書いた手紙を押し付けて、そのままUターン。
全力で走ると、ホテルへ戻る。
緊張のあまり……先生がどんな顔をして手紙を受け取ったかなんて、とても見れないままに。