LOVE BOX~光を探して~
「おはよ~」
深夜だと言うのに朝の挨拶をしながら、私は今日もチェックにいた。
完全に先生と出会う前の生活に逆戻り。この方法しか……一人の時間を埋める術がないから。
そして、昼間の彼氏と別れてしまった事、捨てられた事実が惨めで、未だ現状を川口に言えないまま。
だけど……いつまでも嘘はつけない訳で。
「彼氏はうまく行ってる?」
そんな質問も当然の事。
この店にも一度だけ先生を連れてきたことがあったっけ……それを、ものすごく遠い過去のように感じながら溜め息を吐くと結果だけを口にした。
「いやぁ~実はさ、前の彼女が忘れられないんだって!で、フラれちゃった。酷いよね?」
凹んでいてもしょうがない。私はまた、いつものバカで明るい自分の仮面を被っていた。
静か過ぎる店内に響く悲しい声。
川口とアツシからの痛すぎる視線を感じながら……けれどそれには気付かないフリで、目の前のビールを一気に飲み干した。