LOVE BOX~光を探して~
用事がある、と川口が厨房に消えていって……話をする相手がアツシだけになって。
有線の音だけが流れ出す店内で不意に目が合った……その時。
「じゃあさ、あやちゃん俺と付き合う?」
「……は?」
おどけて言ってくれたのは、きっとアツシの優しさ。
「それ……誰にでも言ってるでしょ?」
真面目そう、優しそう、で選んできた相手にとことん裏切られた私が、目の前のこんないい加減そうな男の告白を受けるはずも無く……。
聞き流したのはもちろんなんだけど、少しだけ嬉しかったよ。
気を使ってくれてありがとう、アツシ。