LOVE BOX~光を探して~
物音で起こしてしまったんだろうか?
「ちょっと下に買い物行って来るよ」
「じゃあ俺も行く!」
まるで……ずっと昔からそうしていたような。
そう錯覚しそうなぐらい、アツシの態度が普通すぎて……私は私らしさを保てなくなってしまう。
すっかりお酒も抜けた状態で、エレベーターの個室にいると胸が高鳴る。
付き合ってって言われたから?
それとも、初めて部屋に入った人だから?
コンビニでおにぎりと飲み物を買って帰り、そのまま二人で過ごす。
それは……もうすぐ東京で本格的にAV女優として働き始める私にとって、ささやかな癒しの時間だったのかもしれない。