LOVE BOX~光を探して~
「仕事は……辞めるよね?俺の稼ぎで足りるでしょ」
アツシがそう言い出したのは転職してすぐの事。
車の営業マンに転身した彼は、完全歩合というその過酷な条件をものともせず、あっという間にトップへと登りつめた。
スーツをびしっとキメて、無邪気な笑顔で笑いかける。
確かに……生活は出来るだろうけど。
私は、ケンの一件があるまでは厳しく育てられた方だと思う。
だから、自分の気持ちよりも常識を優先してしまう……そんな所があって……。
「そうだよね?結婚してるのに風俗じゃおかしいよね?」
本当はもっと、あの世界で頑張りたい。
そんな気持ちはあるけれど、きっと愛する人の隣にいれば、それが一番の幸せになるはずだから……アツシの求めるまま仕事を離れた。