LOVE BOX~光を探して~



彼の地元へとひとりで向かい、役所で手に入れたのは戸籍謄本。


家族構成。


父、母、アツシ、妹。


誰も離婚していなければ、妹とはしっかり血が繋がっている。


更に、アツシの友達に問い詰めてみれば、お母さんに入院歴は無い。


鑑別所にいたせいで閉所恐怖症だというアツシに、補導の事実も無い。


以前の会社では営業としてかなりの地位に登りつめていた。そこまでは本当。


しかし、そのお陰で芸能人に誘われただの、俺が振ってやっただのの件は妄想。



こうなってくると、アツシが語ってきた過去の武勇伝自体、全てを疑うしかなくなって来る。



愕然と……倒れ込む。



私は一体アツシの何を知っていたんだろう?



この人は、一体誰なんだろう?


< 273 / 387 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop