LOVE BOX~光を探して~
彼の地元へとひとりで向かい、役所で手に入れたのは戸籍謄本。
家族構成。
父、母、アツシ、妹。
誰も離婚していなければ、妹とはしっかり血が繋がっている。
更に、アツシの友達に問い詰めてみれば、お母さんに入院歴は無い。
鑑別所にいたせいで閉所恐怖症だというアツシに、補導の事実も無い。
以前の会社では営業としてかなりの地位に登りつめていた。そこまでは本当。
しかし、そのお陰で芸能人に誘われただの、俺が振ってやっただのの件は妄想。
こうなってくると、アツシが語ってきた過去の武勇伝自体、全てを疑うしかなくなって来る。
愕然と……倒れ込む。
私は一体アツシの何を知っていたんだろう?
この人は、一体誰なんだろう?