LOVE BOX~光を探して~
初めての……告白


「あーもぅっ!!辛いし……」



「だから!告っちゃえばいいじゃん!!」




学校裏のクレープ屋。そこで大好きなチョコクリームを頬張りながらアキナと過ごすバンド活動のない日の帰り道。



ほとんど毎日をケンと一緒に過ごしてる。


それなのに……音楽の話だったら簡単に話せるのに!いまだにケンに彼女がいるのかどうかすら、私は聞けないでいた。



本当に……情けない。



「でもさ、彼女がいたらバンドどころじゃなくない?」



そうなのかな?


でも、あんな大柄でゴツい徳井先輩にだって、大人しそうなメガネ女子の可愛い彼女がいるし……。


高校は違うけれど二人で撮ったプリクラを何度でも見せてくるせいで、すっかり彼女さんの顔まで覚えてしまった。



クレープ屋を出ると外は小雨。いつの間にか高校に入って2ヶ月が過ぎ、梅雨の季節に入ってしまったようだ。



徳井先輩の言いつけで毎日担いでいるベースを148センチの小さな体へよいしょと掛け直すと、私は空を仰ぐ。




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