LOVE BOX~光を探して~



「あれ?あやちゃんじゃん。超久しぶり!!」



そこにいた私を「あや」と呼んだ人は……川口ではない。



私は、ケンと知り合った頃からビジュアル系のバンドが好きで……有名ライブハウスがいくつか点在するこの街だから当然、バンドマンだってたくさんいて。



その人は、アツシと付き合う前にこの店で働いていたユウという名前のベーシストだった。



音楽の趣味が合う彼とは朝までよく語り合った仲。



「ユウ?戻ってきてたの?」



知らないうちに店に復帰していたらしいユウに声をかけながら店内を見渡すと、カウンターの隅に一人女の子が座っている。



そして、逆の端にアツシ……と私も見知ったアツシの友達。



なんか変な状況だ。そう思いながらも、私は久々の店内へ足を踏み入れた。




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