LOVE BOX~光を探して~
どこにでもあるファミレスの広い駐車場で、ただリュウジを待つ。
辺りは暗くなりかけていて、携帯へ電話した私に、通話したまま向かってくると言うリュウジ。
ここは、彼の家から徒歩5分だと言う。
ズキズキと痛い胸を押さえ、必死に周囲をきょろきょろと見渡すと……。
「いた……?」
携帯片手にまっすぐこっちへ向かってくる人影。
ジーンズにシャツという、学生らしいラフな格好をした細身なその人は……私に気付くと少し頭を下げた。
崖底にあった暗い暗い闇に包まれた部屋で、出会った私とリュウジ。
その私達は……電波と距離を越えて、今日……本当に出逢った。
たった3日前の冗談から、想像出来ない今がある。
そしてそれは、あの日……たまたまお互いが同じ時間にあのチャットルームに存在しなければありえなかった縁。
すごく、すごく、不思議な感覚。