LOVE BOX~光を探して~



「じゃあ……帰るね」



またね、なんて言わない。



私たちはもう逢う事のない人間だ。



そう思って背中を向けた時!



気がついたら……私は、背後からリュウジに抱き締められていた。



「好きだよ」



背中に伝わる体温と共に、耳に伝わる小さな、聞き逃してしまいそうな声で。



振り向くとリュウジは困ったような、照れたような顔をしていた。



私たちが出逢ったことで貴方の中では何かが変わったの?



それでも……何を言っていいのか分からない私は



「ありがとう」



受け入れる事が出来ず、それだけを言ってまた……家路に着いた。


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