LOVE BOX~光を探して~
少しずつ、這い上がってきた私の手がコツンと高いところにある岩に触れた。
その岩をぎゅっと掴むと、後ろから一緒に歩いてきたリュウジが全力で押し上げる。
私も渾身の力を込めて、その岩にしがみつき深い穴からようやく顔を出した。
後ろからリュウジも崖を登りきる。
あんなに深いと思っていたのに……愛情に満たされた私には必要ない、と言わんばかりに穴は塞がり目の前が一気に平らになって行く。
二人を照らすのは光……。
それはずっと私が探していた光。
空には月が輝いていて、隣には眩しいぐらいの笑顔で支えてくれる人がいる。
やっと……出れたんだ。
二人で顔を見合わせると、幸せ過ぎてくすくすと笑った。