LOVE BOX~光を探して~



そんなある日の試験前。



梅雨が過ぎて夏目前!の暑い暑い日にやって来たケンの家。



時々……私はケンの家にお邪魔させてもらっている。お母さんは末っ子のケンが可愛いらしく、一緒に勉強を頑張る私とも仲良くしてくれている。



「夕飯食べていきなさいね♪」



そんな感じでいつもご飯までご馳走になってしまう。

大きな外人ギタリストのポスターが貼られたケンの部屋で、一緒にご飯を食べて、大好きな音楽を聞いて、ただのんびりと過ごすのが常だった……んだけど。



「次これ聞いていい?」



ケンの香りがするベッドに寝転んで、脇に置かれたCDラックを無防備に漁っていた私。そんな私を背中越しにケンが覗きこんでいるのが分かる。



いつもと違う気配に振り向くと……そこには。



至近距離のケンの顔。



驚いて……。



思い切ってそのままぎゅっと目を瞑ると、唇に柔らかい温かな感触が伝わった。


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