LOVE BOX~光を探して~
初めての時間が一体どれくらいだったのか、分からない。
ただ、寡黙なケンの普段と違う荒い息遣いと、汗ばんだ肌と、熱い視線だけが私を刺していく。
「……好きだよ」
「葵も……ケンが大好きだよ」
口数の多くないケンだからこそ、その言葉が嬉しくて、彼に初めてを捧げられた事が嬉しくて。
そのままぎゅっと抱き合ってた。
人と触れ合うことがどれだけ幸せなのかを知った夏。
別れのカウントダウンがスタートしていたなんて気付かないまま、永遠の幸せを知ったんだと勝手に思っていたんだ。