LOVE BOX~光を探して~
それに実は……アルバイトを始めた理由が更にもう一つあったりする。
それは、夜遅くに帰っても平気になる事。
「葵?今日も仕バイト?」
「うん!」
娘を疑う事なんて知らない両親。
そして……。
ケンは男だから当然厳しい門限なんて無いし……だから
ずるずると、デートの時間がどんどん遅くなっていく。
静かに更ける闇の中。
「まだ帰りたくないよ……」
「俺も……」
離れられないまま、夜の闇を二人で彷徨う。
公園のベンチで抱き合ったまま、一緒にいるだけで幸せだった。
私がリクエストした愛の歌を、照れながら歌ってくれるケンが愛しかった。
重ねた唇に飽くなんて事、一瞬も無かった。
そんな甘すぎる時間の期限は……もう、すぐそこに迫ってきていた。