LOVE BOX~光を探して~




一人、駅に取り残されて……どれくらい時間が経ったのか分からない。



どうしたらいいのか。



誰かに電話をする元気も無くて……連絡が来るはずのない携帯を握り締めてただ、放心状態が続く。



このままじゃ……ダメだよね?


ちゃんと話をしなくては。



妊娠の事実を知った瞬間、体が一気に重たくなった気がした。私はもう一人じゃないんだ。



電波の良い場所を探して地下街を抜けると大好きだったハンバーガー屋さん。



そんなお店を見ても食欲が湧くハズも無く……胸に気持ち悪さを感じた。



これがつわりってヤツなのかな?



漠然と……そんな事を思いながら、携帯の画面を開く。



電話をかける先は……もう帰っているであろうケンの家だ。



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