LOVE BOX~光を探して~
何を話したらいいとか、そんな事はあまり考えられなくて。
ただもう一度、明日に持ち越すんじゃなくちゃんと話をした方がいいって、そんな気がしたの。
5回の呼び出し音の後、電話口に出たのはケンのお母さんだった。
「あの……矢口と申しますが、ケン君お願いできますか?」
そう言った瞬間、お母さんの声色が変わった。
そして、冷たい冷たい低い声で言い放たれる言葉。
「お繋ぎすることは出来ませんから!」
……怖い。
私がケンと付き合ったことは、お母さんにとってそんなに罪な事ですか?
成績ってそんなに大事ですか?
新しく宿った愛しい愛しい命よりも……優先される事はあるのですか?