お嬢様の秘密Ⅱ
本心から言っているようには思えなかった。


何か………隠している気がする。


大樹も私もお義父様の考えていることはわからない。





「そのような理由でしたか....。」


「でも周りから逃げているような子には育って欲しくはない。莉依紗、対処せよ。」


「かしこまりました。」


本当は普通の高校に通わせてあげたかったけど....。


やっぱりそういうわけにもいかないのね。


「莉依紗、わしだって本当は普通に暮らさせたかったのだ。


だがこうして後継者争いに加わらせようとしたのは、真理亜がユリに遠まわしにいじめているではないか。


そのような奴に堂々と後継者を名のられるのをどう思う?


だからわしはユリに戦わせることにしたのだ。


わかってくれ.....莉依紗。」


ブチンと中継が切れた。


お義父様がそのようなことをお思いになっていたなんて....。





「奥様。紅茶お入れしました。これを飲んで落ち着かれなさいませ。」


「ありがとう....。」


ハーブティーを入れてくれたんだ....。


ちょっと気分が良くなってきたかも。


「竜也、いる?」


ここは桜井家に任せた方がいいわ。


「お久しぶりでございます。ご用件は?」


「国松はしばらく学園長の代理をやって。」


「お、奥様!?」


今学園を開けるのは危険だけど....。


「私はしばらく沙那の家や竜也の家に泊まらせていただくわ。」


「奥様....。また勝手に....。突然言われてたらさすがの竜也でも困るでしょ!?」


国松がものすごく呆れ顔になっている。


「畏まりました。準備はいつでも整っておりますのでまたご一報ください。では失礼します。」


竜也って忍者みたいよね。


「というわけでよろしくね!国松。」


「奥様...。そのような笑顔で....目的はしっかり認識してくださいよ!」


「わかってますよ。」


大きいため息をついている国松には申し訳ないけど、私の仕事として....許して。


ちゃんとユリに私のことを理解してもらえるように頑張るから....。


-莉依紗side end-
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