お嬢様の秘密Ⅱ

婚約

12月に入り雪がちらほら降るようになった。


大樹のお父様は正式に仕事に復帰し、大樹は会社の仕事をほとんどやらなくてもいいようになっていた。


私は制度を使って大樹の部屋に毎日のように来ている。


寒いから寮から出たくない時、制度は便利なんだ。


今は部屋で勉強しているところ。


「一応俺ら受験生だからな。」


「確かにね………。」


Sランクを死守し続けている私たちは一応どの大学を受けても受かる実力を認められている。


ちゃんと試験は受けるけどね。


恵梨香というと………


妊娠は本当だったようで退学届けを出したらしい。


表向きは海外へ引っ越しということになっているが、実際は日本にいる。


大樹との婚約破棄は世間には報道されていないけど、学園の人には広まってしまっているので恵梨香へのみんなの態度はきついものになっていた。


没落して財産もほとんどないとも聞いてるし。


「今日時間あるか?」


「あるわ………どうして?」


「レストラン予約したからたまには一緒にどう?」


珍しい………。


いつも私の手料理が食べたいって言うのに………


「え?いいの………!?行きたい!」


「じゃあ後で国松に時間を伝えておくな。」


「冬休み明日からだから学園は自由に出られるんだよね!楽しみにしてるね!」


私の満面の笑みに大樹の顔が赤くなっていたことは気づかなかった。


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