お嬢様の秘密Ⅱ
「もっと早く会いたかった。…………奈々子の生き写しのようじゃ………。」


そうポツリとつぶやき、私の頭をそっと撫でた。


「今まですまぬな………。」


そんな寂しそうな、会長らしからぬ情けない声で言われた。


「そんなこと………。」


確かに今でも動揺してるし、なかなか受け入れることはできていない。


だけどそれしか方法がなかったんでしょう………?


「我慢せずに泣きなさい。………誰も何も言わないぞ。」


お祖父様は私の目をそっと拭った。


………泣いてたの私………


お祖父様は近くにあったソファに私を座らせ、また頭を撫でてくれた。


………安心する………


「ありがとう………お祖父様………。」


「落ち着いたか?昔泣くのを我慢していた奈々子の頭を撫でると、すぐに泣いておったわ……。」


「お祖父様の手はとても安心させてくれる手ですね。………なんだか懐かしい気分になりました。」


「安心させるとは初めて言われたわ………。沙那にお前を預ける前はよくお守りをしておったぞ。」


え!?


「旦那様は下手くそでしたので………奈々子奥様がよく注意をなさっていましたね。」


「ああ。懐かしいな………。だが、奈々子にお前を会わせたかった。」


お祖母様か………


私も会ってみたかった。
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