お嬢様の秘密Ⅱ
でも、多忙なお祖父様が私と会いたいと言っているのはただ私と会いたかったわけじゃない。


何か本当の理由があるはず………。


「お祖父様。ご多忙なお祖父様です。ただ私と会うために私を呼んだのではないでしょう?」


私を優しく見つめていた目が一瞬にして真剣なものになった。


「ああ………。今日はたっぷり時間をとっておるからもう少しほのぼのとしておりたかったのじゃが………。

ユリは見た目より鋭い性格をしているようだ。………これは山岸家の血筋じゃな。」


………いろいろありすぎて疑い深い性格がひどくなってしまったのかしら。


「本題に移ろうか。



………ズバリ聞くが、お前はこれからどうしたい?」



………やっぱりこれが本題か………



「莉依紗の言う通り、学園に残るか退学するかは一週間の猶予が与えられ決めることになっている。

これは昔から厳しく決められていることで家の力では変えることができないのだ。………変えるつもりはないが。」


「私は……どうしたいのか分かりません。」


「高澤君はどうだ?」


葵………


学園を抜けてから電話がかなり来てるけど出ていない。


「葵と付き合っているのは知ってるようですね………。私は言葉にできないほど彼が好きです。

学園ではいろいろありましたけど……いつも助けてくれたのは葵が最初です。」


お祖父様の前で……なんだか恥ずかしい//


「高澤家の跡取りはかなり優秀と聞いている。………ユリを任せても大丈夫そうだな。」


「お祖父様………?葵ってそんな偉いお家の方なんですか………?」


そういえば聞いたことなかったかも。
< 116 / 318 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop