お嬢様の秘密Ⅱ
「お前は聞いておらんかったのか！………本人は知っているとばかり思っていると思うぞ。

高澤葵は高澤ホールディングスの現社長のご子息だ。」


……………！？


「知りませんでした…………。」


「高澤くんがなかなかのイケメンであるのはもちろんだが、玉の輿を狙うものも多くいるからあんなにモテるんだぞ。

その手については詳しくないようだな。」


「すいません………。全く興味ないもので………。」


「じゃあ、高澤くんと結婚したいと思うか？」


え？


「ずっと一緒にいたいと心から思っています。…………でもまだ付き合ったばかりなので。」


「そうだったな………。だが、高澤くんと付き合うのは今まで大変じゃなかったか？」


「大変というか………。自分の出自を知るまではずっと庶民だと思ってて………。

葵は振る舞い方から違ってどこかの偉い家の人なんだなとは思ってたので、政略結婚するんだろうなとは思っていました。

…………だから家で高澤家の縁談のニュースを見たとき、やっぱりとは思いました。」


今は良くてもいつかは………なんて思ってしまってなかなか告白出来なかったんだ………。


お祖父様は私の話を聞いてフッと笑った。


「お前の気持ちはよく聞かせてもらった。………実はお前を少し試したかったのだ。

秋本家の人間としてどのように沙那がユリを育てたのか………。」


………どういうこと？
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