お嬢様の秘密Ⅱ

屋敷にて

リムジンが屋敷の敷地に入り、最奥の建物の前で止まった。


「国松さん。送って下さってありがとうございます。」


「では、また。」


私に一礼してまたリムジンを走らせた。


また……ってもう会うこともないんじゃないかな。


「ただいま。」


「え!?ユリお嬢様?なぜこちらにお戻りになられたのですか?」


中に入ったとき、奥からお母さんの執事の今野さんが出てきた。


「お母様いる?ちょっと用事があるんだけど。」


「奥さまは茶室にいらっしゃいますよ。ご案内いたします。」


「お願いいたします。」


今野さんに会うのは実は初めてなの。


穏やかな雰囲気の方で、かなり若いはず。


「ユリお嬢様。私から1つ言わせていただきます。


他人の声に惑わされては自分の意思は貫けませんよ。」


え……?


「茶室に着きましたよ。


奥様、お嬢様をお連れしました。」


「ありがとう。ユリ、お茶点てたから飲みなさい。」


「では失礼します。」


私はお母さんの真向かいに座りお茶を頂くことにした。
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