お嬢様の秘密Ⅱ
「改めて聞くが本当に継いでくれるのか………?」


うつむきかけていた顔を上げ、しっかりとお父さんの方を見た。


「私は、私の意思を持ってはっきりとお祖父様にお伝えしました。

素質があるのなら………チャンスをいただけるのなら秋本家を継ぎたいです。」


「そうか………。親父は切り捨てる時は容赦しない。いくらユリでも諦めかけたら候補者から引きずり落とされると思う。

しっかりと精進してほしい。」


「分かりました………お父様。」


社長令嬢として恥ずかしくない挨拶をした。


「ユリにお父様って呼ばれるのは……悪くないな。理央、お前は学園では表に出てこられないがしっかり守ってくれ。」


「はい。ユリお嬢様をお守りいたします。」


力強い返事に私は涙が出そうになった。





「で、山岸家はどうするんだ?」


「そっちもやります。と言っても警察の方ですけど。」


あ、そうだ、一応言っておいた方がいいよね。


「学園長は夏菜がやりたいって言っていたのでお任せしてもいいですか?」


「浅井さんか………。確か予定では継ぐのは兄上だったな。わかった、また折を見てみんなでお話ししようか。」


お屋敷でみんなで会食会をやっているところを想像してみた。


なんだか………楽しそう。


近い将来そんなことが出来たらいいな。

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