お嬢様の秘密Ⅱ
「さあ………俺も仕事を抜けてきているからそろそろ戻らなくちゃ。ユリ、またな。いつでも親父を頼ってこいよ。

今逃したら次はなかなか会えないが………。今何か聞いておきたいことあるか?」


聞きたいこと………。


私に関することは莉依紗様からほとんど聞いている。


あと少しだけ聞いてみようかな………


「お父様は西月家のことをどう思っていたの?」


「………関わりたくなかった、正直。りいは知っているかわからないが、婚約の話が出た時こっそり調べたんだ。

今までりいが被害にあったいじめの首謀者は全て恵梨香だった。………親友なのにどこかトチ狂っていたんだろうな。」


やっぱり油断させるために婚約を認めようとしていたんだね………。


「………お祖父様ってやっぱり血統主義なところあるの?」


「あるのかないのか俺にも分からないが、お袋がカフェで狙われたあと、俺はりいのことを親父に話したんだ。

辰彦さんが知り合いだったということもあるけど………お袋を守るために警察関係者とつながりを持ちたかったんじゃないか?」


情報をすぐ手に入れやすくする………なんとなくお祖父様の気持ちが理解できるような気がした。


「俺にこんなことばっか聞いてどうするんだ?………まあ聞きたいなら全然いいけど………。」


私が聞きたかったことは本当は違う。


「ふう………。お父様。私の名前の以来って何?」


学校の宿題でそういうテーマのことを聞いてくるなんてことがあったけど、今思えばお母さんが権力を使って私は提出しなくてもいいということにしてしまった。


聞いた時のお母さんの顔はとても悲しそうだったから深入りしなかったけど………でもずっと聞いてみたかった。



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