お嬢様の秘密Ⅱ

守るって……

決意を決めた。


明日からは学園に戻らなきゃ………。


学園長に正式に戻るとお伝えして、私を休講扱いにしてもらった。


これからは制度を使うことは出来なさそうということを家族で話し合ったから、全面勝負をしなくちゃいけなくなる。


ーピンポーン


え、こんな平日に誰!?


「お嬢様、ご友人ですよ。」


理央が連れてきた人は……





「夏菜!葵!?志穂ちゃんまで………。」


「ユリ!!また勝手に………!」


ガバッと抱きつかれた。


………泣いてる?


「心配かけてごめんね………。もう大丈夫だから。………戻るから………。」


「無理してないよね?お嬢様……。」


志穂ちゃんが私を心配そうに見つめる。


志穂ちゃんは玲央と一歳違いの妹。


今年入学して………いきなり休講。


………ごめんなさい………。


「亮治兄ちゃんからユリを頼むって言われているから、しっかり守ります。」


お祖父様に教えてもらったけど、志穂ちゃんは私のいとこの山岸亮治と婚約しているらしい。


亮治は私と3歳年が離れている。


………会ったことはないんだけど。


「夏菜様、そろそろ離れたら?」


志穂ちゃんがそっと声をかけた。


うん、その声かけは正しい。


「そうだった………。後ろから嫌な空気が流れているわ。」


「ご理解をどうも。」


………葵怖っ!


「そんな態度だったらお嬢様に愛想つかされますよ?葵様。」


さすが玲央と理央の妹………。


度胸がある。


「じゃあ10分借りるから。」


そう言うと葵は私の手を引っ張り庭へ連れ出した。
< 133 / 318 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop