お嬢様の秘密Ⅱ
-沙那side-


会議と称してみんなを集めたけれど………。


みんながそれぞれの形でユリを守ろうとしているのがよくわかった。


ユリもようやくそれに納得して、自分もみんなを守ろうとしているみたいね。




「ユリ様、ちょっといいかしら?」


会議が終わり、執事に皆さんを客室にご案内している間ユリを呼び止めた。


「何ですか………お母様?」


お母様、か………


私は本当は叔母なのに………


私たちの権力争いで子供達の人生を曲げてしまったように感じて罪悪感が生まれてきた。


「少し話したいの………今いいかしら?」


「じゃあ私の部屋に行きましょう。客室とは距離がありますし。

………それと、今は私はお母さんと呼びます。だからユリ、と呼び捨てしてください。」


私はびっくりして目を見開き、そして苦笑した。


「ええ、分かったわユリ。」


小さい頃から何度も呼びかけてきた少女は寂しそうに笑ってくれた。


「理央、今は6時だから夕食は7時でいいわね?

今からお母様と少しお話しするから呼びに来なくていいわ。間に合うように行くから。」


「かしこまりました。使用人達にはお嬢様のお部屋にあまり近づかないように連絡しておきます。」


上に立つものらしく指示を出す姿を見てユリの成長を感じた。


………私も歳を取ってしまったわね………
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