お嬢様の秘密Ⅱ
「皆様。先日は見苦しいところをお見せして申し訳ありませんでした。………朝から毒を盛られたようで……。」


周りを黙らせた。


心配するような視線を向けてくれる子たちは………夏菜以外に密かに仲良くしてくれたギリギリ特別生の子たちや一般生の子。


後ろから感じる威圧感に負けじと群衆に向かって声を張った。


「改めて自己紹介いたします。私は秋本ユリ。




秋本グループ後継者候補です。以後お見知り置きを。」


丁寧に、優雅に礼をした。


息を飲むような雰囲気に包まれた。


「あの………ユリ様。マリア様が言ってらした“学園長様の娘”というのは………。」


近くにいた男子がおずおずと聞いてきた。


………答えていいのかな


お祖父様はシルバー様に聞けと言っていたけど……


「あらどうしたの、ユリ。答えられないの？」


真理亜が不敵な笑みを浮かべてこちらに近づいてくる。


そして質問してきた男子の手をそっと触れる。


………惚れてるのね、顔が赤くなってる………


「皆さんが聞きたがっているじゃない。勇気あるこの方を代表して。」





「真理亜、いい加減にしなさい。そうよ、ユリは私の子よ。」


みんなが一斉に声がした方を向いた。
< 150 / 318 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop