お嬢様の秘密Ⅱ
「………ようやく紹介か?」


………その声は………


私が一番好きな、声。


「あ、葵………?」


なんで、


どうして私と同じように真理亜に笑っているの……?


「葵様を呼び捨てするなんて礼儀がなってないわね。」


最近見かけなかったのは………もしかして。


「………いつからなの?」


「最近かしら?あなた去年かなり葵様にくっついていたでしょ?」


「あれは邪魔だったよ。………女に手あげるわけにはいかなかったしな。」


私に向けられた葵の冷たい目線に耐えきれない。


「葵…… ねえ嘘だよね?………嘘、でしょ……?」


「俺を呼び捨てにするな、秋本。」


………っ


我慢していたけど……もう限界かもしれない………。


葵………こんなことになるなら私に優しくしないでよ………


「皆さんにご報告致しますわ。秋本家と高澤家の婚約の話が出ておりますの。」


驚きと……取り巻きの拍手。


「お祖父様が認めたのは………どうやら私のようね。」


……今まで見た中で一番笑っていたかもしれない。


真理亜は私に公衆の面前でとどめを刺した。


「真理亜、こっちを向け。」





葵は私の目の前で、真理亜にキスした………







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