お嬢様の秘密Ⅱ
私とお母さんの2人きりになった。

「今から話す話は紛れもない事実だから。あなたがどう思おうとは気にしないけど…全てはあなたを守るためだったの。」


お母さんが話そうと口を開きかけた時。


「沙那、私にも話させて」


「お姉様!?なぜここに…外泊許可を会長様にお取りではないのでは?」


「大丈夫、すでに国松か竜也がやってくれているわ。」


そしてローゼ様は私の方を見た。


「私の口から言うわ。」


「なんで...なんで今まで黙ってたんですか?ローゼ様。」


ローゼって言った瞬間顔を少し歪めた学園長。


「私だって!私だって.....ずっと言いたかったわよ!!でも黙っていなければならない事情があったの。私も大樹もよく考えたの。

ホントは....もうあなたには死ぬまで会うことはないと思っていたのに……。」


「お姉様....。」


「お母さん?お姉様って....。」


「そうよ。私の旧姓は山岸、今は稲生。秋本はお姉さまに借りた偽名よ。私とお姉さまは姉妹で、あと上に双子の兄がいるわ。

海外に行っていてほとんど会ったことないけど。」


本当に………お母さんじゃなくて叔母だったの?


「じゃあお父さんは?....一度も会ったことなかったのは....。」


いや、何年かに一回はあったことあるかもしれないけどはっきりとは覚えてない。


「あなたが会ったことのある父親は沙那の夫と私の夫の両方よ。

本当のあなたの父親は………日本屈指の大財閥秋本グループ社長の秋本大樹。」


「なんで今まで黙ってたんですか、ローゼ様。」


ちょっと一息ついてから話し始めたのはこんな話だった。


「私の過去を細かく話さないと伝わらないと思うから長い話になるわよ……。」




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