お嬢様の秘密Ⅱ
-亮治side-


ー優莉様はあなたのいとこよ


初めて親から聞いた時は本当に驚いた。


俺とユリが初めて出会ったのは俺が小学校6年生だった。


たまたま怪しいと思って着いて行き、なんとかいじめを止めた。


その少女は弱いのに強がりで繊細な子だった。


世間知らずのお嬢様かなっていうのが第一印象だった。


俺とユリはたまに会うようになった。




「りょう兄ちゃん!」


親しくなっていくにつれて俺にも自然な笑顔を見せてくれるようになった。


最初は社交的な笑顔を貼り付けて内面を隠すようにしていたのに。






「親友に心配させたくないって………夏菜様のことだったんですね。」


「え………?ユリそんなこと言ってたんですか?」


「いつも助けてもらっているのに何もできていないって。お互い思っていること、考えていることが同じなんだね。」


「ユリが………。」


「夏菜様は何に罪悪感を感じているの?」


一瞬驚いた顔をしてすぐに俯いた。


5年生という言葉に少なからず反応していたから何かあったんだろうね。


「………ユリがその頃いじめれていたことを今知ったの。それに心当たりがあって………。」


私のせいと、何度も連呼しながら話してくれた。


-亮治side end-


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