お嬢様の秘密Ⅱ
-亮治side-


そんなことが………


「蟻川陽菜は当時同じクラスで現在、Bクラスに所属しているんです。………真理亜の右腕的存在として認識しています。」


「じゃあ当時から関わっていたんだろうな、真理亜と。」


「多分今までの誘拐もそうかもしれないし、幾つかは証拠を掴んでるって言ってました。」


現場に落ちていた髪の毛とかね、とまあ状況が状況なら有力な証拠かもしれない。


それにしても。


「それ夏菜様のせいじゃない。その分でいったらたとえユリから違う場所に行こうと誘われていたとしても絶対狙われていたと思うよ。

陽菜と同じクラスだったらね。」


ハッとしたようになった夏菜様。


「でもユリって強いんだね………。」


「そのことはあんまり覚えていないって言ってたけど。本気じゃないと思うの。本人もそう言ってたし。」


「……だから山岸家も継いでほしいってお祖父様が言ってたんだな。」


武術に秀でているからか。


多分その誘拐のとき助けに来た警察官はお祖父様でユリの強さを目の当たりにしたんだろう。


あとで確認取ってみるか。





「亮治様!!」


「あ、志穂ちゃんだ!………ひっそりと来てくれたの?」


「うん………誰にも後をつけられていないことを確認したから安心してね。夏菜様。」


「志穂を呼んだのは俺なんだ。

2年生のクラスの騒ぎを聞いて、夏菜様がユリを移動させていることを知って落ち着いたら合流しようと言ったからな。」


「志穂ちゃんと亮治様のツーショット初めて見た……。」


「バレないようにしているからね。………ユリ様を学園長がお呼びだって来る途中で国松さんに言われたんだけど。」


「分かったわ。梶原呼んで連れて行くわ。」


……この2人と仲がいいことをばれたら志穂が危ないのか……


「ありがとね志穂ちゃん。亮治様、よろしくね。」


「かしこまりました、夏菜様。」


俺たちは行動を別にした。


-亮治side end-
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