お嬢様の秘密Ⅱ
「真理亜さま、今日はいつもより色っぽいですよ?」


お昼にやって来た陽菜たちは開口一番にそう言った。


「そうかしら………?」


「ええ!最近お顔色が優れていらっしゃらないから心配していたのですよ?」


「そうね………今日は一段とよく眠れたわ。」


ほとんど寝かして下さらなかったのだけど。


「真理亜お姉様、脚の調子はどうですか?」


夏海さんが心配そうに聞いてくる。


そうよね、夏海さんと最後にあったのはもう随分前でそのころ私は全く歩けなかったから。


「もうだいぶよくなったわ。」


車椅子から歩いて見せたけど………途中でふらついてしまった。


「ああ!」


「お姉様!!」


とっさに皆さんが支えてくれる。


「ありがとう皆さん。今日はちょっと悪いみたいね……。」


腰の痛み………夜のやつ?


「私たちにもご協力を要請してくださいね?」


本当に………心配そうに見つめる夏海。


ここにいるご令嬢方は少なくとも他の人よりは信頼できる。


「ええ。それよりそろそろ本題にいかないと。お時間が迫っているわ。」


これはただのお茶会ではない。


「はい。かしこまりました。先日〜クラスの〜が……。」


「〜会社が〜して………。」


実家から届いた話を打ち明けて共通理解を深める会。


「秋本家としては特にございません。現状維持といったところです。」


つまりお祖父様に動きはなく、いつも通り仕事をなさっていたということ。


「ありがとう、夏海さん。」
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