お嬢様の秘密Ⅱ
ーなんで私の言うことが聞けないの！


ーこんな簡単なのにどうして出来ないの？


ーマナーがなってない


3歳の頃今日からここで暮らすのよ、と母親に言われ、私たちは秋本家の本家へ引っ越した。


最初のうちは一緒に住んでいたがあるとき、母親は出て行った。


「いい？真理亜はここで暮らすの。お祖父様の言うことをよく聞くのよ。」


「いや！お母様と一緒に住みたい！」


ーバチン


「なんであんたはそう……聞き分けが悪いの？」


追いかける私を冷たい目で見てあの人は出て行った。


それでも1年に一回は私の様子を見に来る。


そしていつも言われる言葉。


ー“いい子”にしてる？





褒められようと勉強も天才と言われるほど頑張った。


作法はどこに出しても褒められるほど。


何ヶ国語も操れるし、運動も出来る。


華道や茶道といった上流階級の嗜みは師範の免許を取った。


小学校に入って、クラス、いや学校の中心的存在になった。


友達は男女問わずみんな私にすり寄ってくる。


でも私の心は壊れたまま直すことはできなかった。


そんな時理央様が私の執事になり、義務的な付き合いになり、命令すればなんでも聞いてくれる理央様はどんどん壊れていってしまった。


「………あなたも人を壊す人間になるの？」


そんな時母親に言われた言葉は重かった。


母親も悲しそうにしていたのを今でも思い出す………

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