お嬢様の秘密Ⅱ

-誠一郎side-


あの女のせいか………


真理亜は精神的に母親から追い詰められていた。


その母親もいつの頃からか追い詰められているように見えた。


………恵梨香の何がそうさせているのか？


プライドの高い恵梨香はよっぽどの人じゃないと従うことなどしないだろう。


「………広大。」


「何でしょうか、旦那様。」


「ユリは元気にしておるか？」


少しでも孫を守るためには顔バレしていない広大を近くに置くしかなかった。


「………ええ。」


「……いじめられているのか？」


「主犯はお分かりでしょうよ。止めるにもなかなか厄介ですぞ。」


「先ほどあいつを呼び、少し揺さぶってみたんだが………。操られているように感じた。」


「私もそう感じました。思い当たるといえば母親でしょうか？」


「同じことを考えていた。やはりそうか………。莉依紗に頼んで周辺を調べて報告するように言ってくれないか？」


「かしこまりました。」


ユリ、これでいいのか？


お前が望む未来はお前がつくってほしい。


わしは協力するぞ………。


なあ奈々子？


-誠一郎side end-