お嬢様の秘密Ⅱ
「失礼いたしますわ。突然の訪問をお許しくださってありがとうございます。」


「お気になさらないでくださいませ。さあ、皆様これからシルバー様と大事なお話がございますの。」


真理亜は先客………蟻川陽菜たちを半ば強引に追い出した。





「これで普通に話せるわね。」


「………あの子達は友達ではなかったの？」


私の言葉に真理亜は大きな目をさらに見開いた。


「友達？………そんなものいらないわ。だってそうでしょう？この世界は建前だけの世界だもの。」


「………私たちの世界ではそうね。」


「で、今日は何も予定がないからゆっくり話しましょう。………要件はなんだったのかしら？」


強気な言葉の割にはどこか怯えているような目。


私はひとつ息を吐いた。


「ごめんなさい。」


私は深々と頭を下げた。


「…………何についての謝罪かしら？」


思っていることを行動にはうつさない真理亜だけどかすかに唇が震えていた。


「………母親からあなたを守れなくて。それにあなたに思い違いをしていたことに。」


「………何で。…………何で今更謝るの！！」


怒りをあらわに、目に少し涙を浮かべてこちらをにらんだ。


「………あなたなら少しは知っているかもしれないけど、私は恵梨香と昔仲よかった。だけど今では関係は最悪だわ。

それであなたに偏見を無意識に抱いてしまっていたの。」


真理亜は何も言わず、下を向いていた。


「………その話は聞かされていないわよ。」


「え？」


真理亜なら知っていると思っていたのに。


「………私が知っていることはお母様に言われたことと秋本家の倉庫にある様々な記録書に書かれたことだけ。

ゴールド宮も、Gランクが存在していたこともそれで知ったのよ。」


「秋本家の倉庫は私は入ったことないわ。」


「………そうみたいね。あそこは関係者ですら入らなかったから。」


今度大樹に聞いてみようかしら。
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