お嬢様の秘密Ⅱ
「何をためらっておる、莉依紗。」


急に威厳のある声が私に話しかけた。


「お、おじいちゃん....。」


「子供が学費など気にするな。それに3年前からもう契約しておる。


それにお前が成績落ちても1億なんぞ払わなくてもいいように手を打った。」


「え!?」


「恵梨香ちゃん。莉依紗を頼むな。」


「はい。おじ様。おまかせくださいませ。」


どんな時もえりーの作法はきれい。


「ねぇおじいちゃん。えりーみたいに私、作法とかわかんないよ。いい家柄の子がいっぱいいるんでしょ?


私大丈夫かな?」


「大丈夫だ。お前は私が言ったとおりにしなさい。」


「はい。」


「じゃあ私は仕事に戻るから。」


お祖父さまはすぐに車に戻っていってしまった。


「ってことよ、莉依紗。」


私に自信をもたせたいとき、いつも私を莉依紗って呼んでくれる。


それに気づいたとき、幼なじみで良かったなって思ったことがある。


「わかったよ、恵梨香。」


名前で呼んだらえりーは照れたように笑ってくれた。


「さ、帰るわよ!吉崎が今日は勉強休みでいいって言ってたのよ。


デパートで買い物するわよ。」


「うん。」


こんな私たちの関係がずっと続くと思っていた。
< 19 / 318 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop