お嬢様の秘密Ⅱ
「なんだか重荷が取れた気がするわ。………ありがとう。」


車椅子から立ち、私にそっと抱きついてきた。


「ユリ、体冷えてるの?」


「そうでもないよ。………お姉様、当たってます………。」


見ないように目を背けているけど顔が赤くなってきている。


「………最近大きくなったみたい。」


「………お姉様どうすれば大きくなるんですか?うらやましいんですけど。」


首をかしげて真理亜様を見るとなぜか顔を真っ赤にしていた。


「それを私に説明させるの!?………本当に分かっていないのね………。鈍感って大変。」


ため息までつかれた。


「お姉様、そろそろ座って。足まだまだ本調子じゃないんでしょ?」


「そうね。………心配なんて執事以外に初めてされたわ。」


「え………?」


真理亜様の取り巻きが一番近くにいるのに心配すらしていないの?


………なんか調べた方がいいのかな。


「ありがとう、ユリ。そろそろ場所を移しましょう?」


「え、ええ……。森の方へ行ってみます?なかなか行く機会ないでしょ?」


「気分転換に行ってみたいわ!!」


「では行きましょう!」


今までで一番距離が縮まった気がする。


車椅子を進めて森の入り口近くまで移動した。

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