お嬢様の秘密Ⅱ
着替え終わって案内されたのは………


「私の部屋よ。………執事以外で初めて入ったのはユリよ。」


「友達………いや、取り巻きの皆さんは入ったことないんですか?」


「部屋愚か中扉から中は入ったことないわ。いつもあの玄関でお茶会しているの。」


徹底してるんだ………。


部屋はソファーやウォークインクローゼット、お風呂まで付いている。


「人払いしてあるからさっきの続きを話しましょう。」


「ええ………。」


いったい何を話すんだろう………。








「私は秋本家を継がない。………継ぎたくない。」




え…………?


「最近精神的にも落ち着くようになってよく考えたの。

私は自分が継ぎたいと思っていたんじゃなくて親からの圧力に負けていただけだって。

だから私は………ユリを後継者に推すわ。」


急なことで頭がついていかない。


「………お姉様は私のことを好いていらっしゃらないのでしょう?」


「今は違うわ。あなたと話していてクラスの方から男女問わず好かれていることがよく分かったの。

それに私は………理央を近くに寄せることに執着していたのかもしれない。」


「………好かれてなどいないわ。………女子からいじめられているもの。」


「え………!?それは誰から?」


………誰にも言っていないから本当に知らなさそうな様子だった。
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