お嬢様の秘密Ⅱ
「お姉様の取り巻きから。でもお姉様が指示したのは去年の誘拐事件の後片付けだけでしょ?」


「どうしてそう思うの?私のことを信用なんて出来るはずないもの。」


だから後継者になりたくなかったのかな。


周りからチヤホヤされているだけで結局誰も信用できなくなってしまったから。


「………決めつけないでください。お姉様の様子を見て陽菜が中心で動いていたんでしょ?それをお姉様はかばっている。」


真理亜様はうつむきかけていた視線を私に戻した。


「陽菜の身元は調べるつもりだったのかしら。………陽菜は私と母が拾ってきた子なの。

だから昔から母親には従順だったわ。私は唯一信用していたのに最近それを疑ってしまうの。

………あなたの言葉でさらに追い討ちをかけるように。」


「………お姉様を守れるのは私だけです。お姉様が心の内を明かしてくださったから私も重要なことを教えます。

さっき襲撃してきた奴らを雇ったのは………と…………って吐かせました。」


「え…………!?私に昔から懐いていたのに。」


「最初はそうかもしれませんがそれを見つけて誰かが嘘を吹き込んだんじゃない?」


沙那様………お母さんに昔鍛えられた推理力洞察力が役に立つと思わなかった。


警察官僚を排出している一族だから私は自然と教えこまされたんだ………


「そう言われると………そういえば昔から夏海と陽菜とお母様が私抜きで話していることが多かったわね……。」


「………教えてくれてありがとうございます……。」


材料が揃った。


あとは裏付けるだけ。


これはりょう兄ちゃんに頼んでみよう。



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