お嬢様の秘密Ⅱ
「ユリ！もうなんで無茶するの！」


真理亜様から私の体が離れた途端泣きながら私に抱きついた。


「……車椅子で逃げるのにどうしても遅れてしまうお姉様を助けるには囮になった方がいいと思って。」


「さっき美穂が持っていたあなたの服を見てしまったのよ！服をかなり破られているじゃないの！」


「………囮になった時にナイフで破かれたの。」


夏菜は真理亜様をちらっと見た。


真理亜は気まずそうに顔を背ける。


暗い雰囲気を安藤先生が振り切った。


「話題を変えましょう。………ユリちゃん、私のこと覚えてないの？」


今の先生はなぜか巫女さんの姿だった。


でもどこかで………。


「神社の巫女さん！あれ先生だったの？」


毎年初詣に行っていた神社の巫女さんとあるとき仲良くなって。


「りい姉ちゃんに頼まれて一時期巫女さんやってたの。プライベートでシルバー様と仲良いから。これが証拠。」


私たちに見せてくれたのは、全権委託書。


「これ………！」


真理亜様は驚愕の表情で先生を見た。


「そう。初めて使ったけど私がいないときは秋本家の代理人をやってって言われてるから。

今秋本家は強制で家族会議が行われてるから私が代わりに来たのよ。」


「そう……じゃあ先生、私のお願い聞いて？」


シルバー様にお願いしたいけどいないから代わりにお願いしよう。


私はメイドになんとか捨てられずに確保した白いハンカチを出した。


「………襲撃した男たち全員の髪の毛。」


「これを鑑識に出すように言えばいいのね。分かったわ。じゃあ私はもう帰るわ。

あなたたち4人はしばらく休暇届け出すからゆっくりしてなさい。いいわね、真理亜様。」


「お心遣いに感謝いたしますわ。」


先生は一礼して忙しそうに去っていった。
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