お嬢様の秘密Ⅱ
「真理亜たち、俺もいること忘れてるだろ。」


不機嫌そうな葵。


「理央兄から連絡があってあと少しで帰るだとよ。」


「今日あったことは報告されてるのかしら。」


「先生が報告聞いてからすぐに連絡したそうだ。………で、聞きたいことがある。お前らに護衛はいたんだろ?」


真理亜様には護衛がついている。


なんだけど………。


「………森に入ったあたりから気配がしなくなったの。そしたら襲ってきたわ。あいつらは護衛を気絶させたとも言ってた。」


葵の顔がどんどん怖くなっていく。


「さあ私はユリの様子が分かったから帰るわ。………真理亜様、高澤君の気持ちに気づいてるんでしょ?」


「………今気づいたわ。」


真理亜様と夏菜だけで話が進んでいく………。


「葵様、奥に客室があるから今日はそこ使って。」


「………分かった。」


「ユリ、またね。」


「あ、ちょっと!!」


夏菜はニヤニヤしながら帰っていった。


「………2人とも案内するわ。」


私たちは真理亜様に案内されて客室に向かった。







「葵様はいつも使っている部屋でいいわよね。ユリはここ使って。」


「ありがとう………。」


「………俺と同じっていう意味が分かったわ。葵様、ユリごゆっくり。」


自分で車椅子を引いて戻っていった。
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